先日かこさとし展に行ってから、
かこさとしさんの著書を読んでいます。
『青いヌプキナの沼』
「ゴールデンカムイ」に出てくるアイヌ民族の少女
アシㇼパさんと似た衣装の少女が表紙になっているので気になって
読んでみました。
あらすじ
アイヌ民族の兄タキシと妹チリのお話。
内地からやってきた侍たちに郷土を追われたタキシとチリ。
体の弱いチリ。
タキシは青いヌキプナ(すずらん)の湖のほとりに小屋をつくり
チリと二人で春が来るのを待っていた。
ある日、チリに滋養のあるものを食べさせてやろうと
狩りに出たタキシは、殿様の間違えで打たれて死んでしまう。
兄の帰りを待っていたチリは、
兄が残してくれた木の実で命をつなぎ、
春になり、体をふらつかせ杖にすがりながら外へ出ると
雪解けの中に兄を見つける。
その傷から、このあたりで鉄砲をもっているのは
番所にいる侍だだけと気づいたチリは
復讐をするが、
逆に民族ごと、もっと追われることになってしまう。
侍たちに追い詰められたチリは
青いヌキプナの沼に身を投じる。
その沼から地殻変動がおこり、溶岩や噴石が
すべてをうずめつくしてしまったという
悲しいお話。
あとがきでかこさとしさんのまなざしを知る
とても印象的なあとがきを少し引用します。
”強大な武器や圧倒的な経済力、悪どい策略によって、勝者は輝かしい
歴史を書き上げます。しかし、反対にそれによって奪い取られ、追い払われ、
閉じ込められた側には、わずかな口伝えしか残りません。そうした小さな
伝説の名残の中から、ふと耳にした白いヌキプナ(すずらん)の花の物語は、
涙のつらなりのように私には思えました。”
この小さなものに耳をすまし、心を寄り添わせ、
子どもに伝えようというという思いが
かこさんの作品作りを支えていたんだなと思いました。
無知を知にする
恥ずかしながら、私のアイヌ民族の知識は
学校の授業くらいでした。少なかった。
絵本でも漫画でも、良い教材が探せばあるなぁと。
先日読んだ「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー」の著者がいうように
”差別や偏見は無知から生まれる。”のであれば、
書籍を読んで追体験し、無知を知にすることは
多様性を認めようと進む時代の中で上手くやっていくのに
大事なことなんじゃないかなと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
それでは、また!
ごきげんよう♪
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